地熱発電の分類 - 蒸気発電方式とバイナリーサイクル方式
地熱発電は、火山活動などにより高温の蒸気や熱水が溜まった地層(地熱貯留層)へ蒸気を取り出す井戸を掘り、その井戸を通じて取り出した蒸気でタービンを回して電力を得る発電方法です。
地熱発電には、主に蒸気発電方式とバイナリーサイクル方式の2つの方式があり、それぞれ以下のような特徴を持っています。
蒸気発電方式
蒸気発電方式は、井戸から噴出した蒸気を直接利用して発電用のタービンを回す方式で、蒸気と共に噴出する熱水の取り扱いにより以下のような3つの方式に細かく区分されます。
シングルフラッシュ方式
シングルフラッシュ方式は、井戸からの蒸気と共に熱水が噴出する場合に用いられる方式で、気液分離器で蒸気のみを取り出し、その蒸気でタービンを回して発電を行います。
ダブルフラッシュ方式
ダブルフラッシュ方式はシングルフラッシュ方式と同様、井戸からの蒸気と共に熱水が噴出する場合に用いられる方式で、まず気液分離器で蒸気を取り出しその蒸気でタービンを回し発電するとともに、分離した熱水を減圧することで蒸気化し、この蒸気でもタービンを回し発電を行います。
ドライスチーム方式
ドライスチーム方式は、井戸からの噴出物が蒸気のみの場合に用いる方式で、気液分離器を用いず、噴出した蒸気で直接タービンを回して発電を行います。
バイナリーサイクル方式
バイナリーサイクル方式は、一般的に地下から噴出する蒸気が80℃~150℃と低温の場合に用いられる方式で、井戸からの蒸気で低沸点の媒体を加熱し蒸発させ、この蒸気でタービンを回して発電を行います。
利用される低沸点の媒体には、沸点36.07℃のペンタンや沸点-33.34℃のアンモニアのように沸点が100℃以下の液体が用いられます。