太陽光発電のデメリット
太陽光発電のメリットのページで紹介したように、太陽光発電には非常に有用な多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。
ここでは太陽光発電の主なデメリットを紹介します。
太陽光発電の主なデメリット
発電量が不安定
太陽光発電は、太陽光のエネルギーを利用して発電するため、その発電量は天候に大きく左右され、曇天や雨天時には出力が大きく下がり、夜間にはもちろん出力が得られません。
太陽光発電による電力の割合が、ベース電力となる火力発電などの出力と比較して小さい場合には、この出力の不安定さはそれほど大きな問題となりません。
しかし、メガソーラーなど大規模な太陽光発電所が多く建設され太陽光発電の割合が高まると、天候による太陽光発電の出力変動をベース電力の出力の増減で調整する(※)ことが難しくなる可能性があります。
※発電量調整の重要性
電気は貯めておくことが難しいため、時々刻々と変動する需要量に合わせ、発電所からの供給量(発電量)を一致させ続ける必要があり、このことを「同時同量」と言います。
この同時同量が維持されず、使用電力に対して発電電力が不足したり、過剰であったりすると、電圧や周波数が不安定となり、電気製品の使用に支障をきたす場合があります。
発電施設に多くの面積を必要とする
太陽光発電は、太陽の光エネルギーを利用して発電しますが、太陽光自体のエネルギー密度がそれほど高くないことに加えて、現在一般に使用されている太陽電池の変換効率が数%~20%程度と決して高くないため、他の発電方法と比較して発電設備の建設により大きな面積が必要となります。
発電コストが高い
太陽光発電では、発電のためのエネルギーは太陽から供給されるため、発電時のエネルギーコストはゼロですが、設備導入コストが他の発電方法と比較して高いため、発電に要するコスト全体で比較すると他の発電方法と比較して高くなってしまします。
下のグラフは「エネルギー白書2010」のデータをもとに作成したもので、2012年の固定価格買取制度の導入による太陽光発電システムの普及拡大に伴う、導入コストの低下は反映されていませんが、この点を考慮しても現時点では太陽光発電システムの発電コストは、他の発電方式よりも高い状態が続いていると考えられます。
出所:『エネルギー白書2010』をもとに作成
デメリットを解消するための技術開発
太陽光発電には、上記のようなデメリットが存在しますが、これらを解決するための研究も盛んに行われており、今後の技術開発による課題解決に期待がよせられています。
上記のデメリットを解決するためのアプローチの例としては、以下のようなものがあります。
発電設備の面積について対策
発電量の不安定さへの対策
- レドックスフロー電池やNAS電池といった、二次電池を用いた平準化技術の開発
- スマートグリッドの研究