色素増感太陽電池
色素増感型太陽電池 画像提供:ソニー㈱
色素増感太陽電池は、他のページで紹介しているシリコン系太陽電池や化合物半導体系太陽電池、有機薄膜太陽電池のように半導体のpn接合を持つ太陽電池と異なり、電解質溶液を2つの電極で挟んだ構造をしています。この構造は形状は異なるものの乾電池などと同様の構造です。
色素増感型太陽電池の発電の仕組み
色素増感型太陽電池が乾電池と異なり太陽光を受けて発電できるポイントは電極の構成にあり、一方の電極は薄膜状に積層された酸化チタン粒子に光を吸収する色素を吸着させたもので、もう一方は白金やカーボンを用います。
色素を吸着させた酸化チタンの電極に光が当たると、色素が光を吸収して電子を放出します。この電子が、酸化チタンに移動し、電極を通じて負荷などの外部回路を流れ対極に到達します。対極に到達した電子は電解液中のイオンを経由し電子を放出した色素に受け取られて元の状態に戻ります。
色素増感太陽電池の電解液としてはヨウ素イオンを含む電解液が用いられます。
カラフルな太陽電池も製造可能
色素の選択によりカラフルな太陽電池が製作可能なことや、製造工程に真空プロセスが含まれないことによる低コストでの製造が可能なこと、白金以外の材料が非常に低コストであることなどが特徴としてあげられます。
変換効率もタンデム構造を用いるなどして実験室レベルでは12%程度と実用レベルに達していますが、電解液の揮発や劣化などの問題があり、性能の長期安定性や実用化のための製造技術の開発が課題となっています。