「太陽光発電ロードマップ(PV2030+)」とは
「太陽光発電ロードマップ(PV2030+)」は、NEDOが2009年に「PV2030」を改定しとりまとめた、日本の太陽光発電の持続的な発展と普及に向けた今後の技術開発の方向性を示したロードマップです。
PV2030で掲げられた目標
「PV2030+」のベースとなっている「PV2030」では、2030年までの国内の太陽光発電の累積導入量の目標を100GWとしており、これが達成されれば全電力の10%を太陽光発電でまかなえる計算となります。
「PV2030」に掲げられたロードマップの主な内容は以下の通りです。
個別技術課題の開発目標項目 | 開発目標(達成年) |
---|---|
モジュール製造コスト低減 ・ モジュール高性能化 |
100円/W(2010年) 75円/W(2020年) <50円/W(2030年) |
モジュール耐久性向上 | 寿命30年(2020年) |
原料需給の安定化 | シリコン原単位:1g/W(2020年) |
インバータ | 15,000円/kW(2020年) |
蓄電装置 | 10円/Wh(2020年) |
太陽電池の種類 | 2010年 | 2020年 | 2030年 |
---|---|---|---|
多結晶シリコン太陽電池 | 16(20) | 19(25) | 22(25) |
薄膜シリコン太陽電池 | 12(15) | 14(18) | 18(20) |
CIS系太陽電池 | 13(19) | 18(25) | 22(25) |
超高効率太陽電池 | 28(40) | 35(45) | 40(50) |
色素増感太陽電池 | 6(10) | 10(15) | 15(18) |
※( )内は太陽電池セルの変換効率目標
「PV2030+」は2050年対応
「PV2030」が2030年までの目標を掲げていたのに対して、「PV2030+」では2050年までの目標を追加しています。
2050年の目標が示されたこと以外の大きな変更点としては、以下のようなものがあります。
(1)製造コストや変換効率達成年の前倒し
(2)発電コストの2010年目標達成の先送り
(3)2020年/2030年の発電コストの目標達成を前倒し
(4)導入量の目標表記の変更
「PV2030+」で追加・変更された目標
「PV2030+」において追加または変更された主な内容は以下の通りです。
発電コスト低減項目 | 2010年以降 | 2017年 | 2025年 |
---|---|---|---|
発電コスト | 23円/kWh | 14円/kWh | 7円/kWh |
PV2030での達成目標年 | 2010年 | 2020年 | 2030年 |
太陽電池の種類 | 2017年 | 2025年 | 2050年 |
---|---|---|---|
結晶シリコン太陽電池 | 20(25) | 25(30) | 40%の超高効率太陽電池(追加開発) |
薄膜シリコン太陽電池 | 14(18) | 18(20) | |
CIS系太陽電池 | 18(25) | 25(30) | |
化合物系太陽電池 1) | 35(45) | 40(50) | |
色素増感太陽電池 | 10(15) | 15(18) | |
有機系太陽電池 2) | 10(12) | 15(15) |
※( )内は太陽電池セルの変換効率目標
1)集光時の変換効率
2)新しい太陽電池として有機系太陽電池にも開発目標が設定された