グリッドパリティとは
グリッドパリティ(Grid parity)とは、太陽光発電などの再生可能エネルギーの発電コストが、通常の系統電力のコストと同等となることを指す言葉です。
グリッドパリティを達成することにより、コスト的なデメリットが解消し普及が加速すると考えられるため、太陽光発電などではグリッドパリティの達成を目標に、コスト削減が計られています。
なお、「Grid」は英語で「電力網」を表し、「parity」は「等しいこと、同等」を意味する単語です。
グリッドパリティの基準は国によって異なる
系統電力のコストが各国で異なるため、グリッドパリティの値は当然各国で異なってきますが、それに加え各国政府の電力コストに関する考え方によっても基準が変わってくるため、グリッドパリティの基準は国ごとにそれぞれ異なるものとなっています。
因みに、日本のグリッドパリティの基準は、太陽電池モジュール、パワーコンディショナー等の付帯設備(※1)及び設置工事費を含めて「 24円/kWh」であるのに対して、米国での基準は「太陽電池モジュール価格=1ドル/W」となっています。
※1:系統連系型の構成参照
アメリカでは既に達成
米国のファーストソーラー社の製造するCdTe太陽電池(※2)は、そのコストが2009年に1ドル/Wを切っており、米国のグリッドパリティを達成しています。
※2:化合物半導体系太陽電池参照
日本の現状は
一方、日本国内での2010年における太陽光発電のコストは、おおよそ30円/kWhと考えられ、グリッドパリティ達成にはあと一歩といった状況です。
NEDOが2009年に策定した太陽光発電ロードマップ(PV2030+)では、2017年に14円/kWh、2025年に7円/kWhという発電コストが目標に掲げられており、この目標が達成可能なペースでコストダウンが進めば2~3年の内に、日本でもグリッドパリティが達成されるものと思われます。