バイオマス発電とは
くずまき高原牧場 畜ふんバイオマスシステム
出典:資源エネルギー庁
バイオマスとは、生物を表すbioと質量を表すmassを組み合わせて作られた言葉で、「エネルギー等して工業的に利用することが可能な生物体由来の資源」のことを指します。
バイオマス発電は、このバイオマスを燃焼させ、その熱を利用して蒸気を作りタービンを回すことで電力を得る発電方式です。
バイオマスの種類
生体由来の資源であるバイオマスは、化石資源や鉱物資源と比較して非常に多くの種類が存在しますが、大きく以下のような6種類に分類することができます。
- 木本性植物
スギ、ヒノキなど - 草本性植物
サトウキビ、トウモロコシなど - 水生植物
ホテイアオイ、カナダモなど - 海藻
コンブ、ワカメなど - 微細藻類
スピルリナ、クロレラなど - 廃棄物系バイオマス
パルプ黒液、建築廃材など
バイオマス・ニッポン総合戦略におけるバイオマスの分類
日本政府がバイオマスの利用促進のために2002年定めた「バイオマス・ニッポン総合戦略」においては、国内で得られるバイオマス資源をその起源により以下のように分類しています。
- 廃棄物系バイオマス
パルプ黒液、下水汚泥、家畜排せつ物、建築廃材、食品廃棄物など - 未利用バイオマス
もみ殻、稲わら、間伐材などなど - 資源作物
サトウキビ、トウモロコシ、テンサイなど - 新作物
今後バイオマス資源として期待される海洋植物や遺伝子組み換え植物など
バイオマスはカーボンニュートラルな資源
バイオマス発電では、他の再生可能エネルギーを利用した発電と異なり二酸化炭素が発生します。
しかし、この二酸化炭素の起源は、植物が生育する過程で大気中の二酸化炭素を吸収し固定化した炭素のため、その植物の生育前とその植物からなるバイオマス資源を燃焼させた後を比較すると大気中の二酸化炭素の量は変化しないと考えることができます。
このため、バイオマス資源はカーボンニュートラルな資源とみなされています。
なお、植物の生育過程で化石資源を原料とした肥料が多く使用される場合や、バイオマスの加工や輸送に化石資源から生み出されたエネルギーが多く使用される場合には、そのバイオマスはカーボンニュートラルな資源とみなすことができません。