CO2ペイバックタイム
CO2ベイバックタイム(CO2PT)は、エネルギーペイバックタイムと並ぶエネルギー設備の性能評価の指標のひとつです。
CO2ベイバックタイムは次の式のように、エネルギー設備のライフサイクルを通して排出されるCO2の量が、そのシステムにより削減されるCO2の量と相殺できるまでの期間(年)で表されます。
CO2PT =(ライフサイクルを通して排出されるCO2の量)÷(1年間に削減されるCO2の量)
なお、エネルギー設備のライフサイクルを通して排出されるCO2には、以下のようなものが含まれます。
- 設備に用いる資材の生産や運搬に伴い発生するCO2
- 設備の製造・設置に伴い発生するCO2
- 設備の運用時に発生するCO2
- 保守用資材の生産や運搬に伴い発生するCO2
- 施設の使用後処理(解体・廃棄・リサイクル)に伴い発生するCO2
各太陽電池のCO2ペイバックタイム
CO2ペイバックタイムは、その値が小さいほど環境に与えた負荷の回復が早く、環境にやさしいことを表しています。
太陽電池の種類別のCO2ペイバックタイムは以下のような値になっています。
用途 | 単結晶Si | 多結晶Si | 単結晶系Si ハイブリッド | 薄膜シリコン ハイブリッド | CIS系 |
住宅用 | 3.48 | 2.63 | 2.80 | 2.42 | 2.08 |
公共・産業等用 | 4.17 | 3.33 | 3.41 | 3.46 | 2.98 |
※NEDOの資料をもとに作成
上記の値は太陽電池モジュールなどのリサイクルによる効果を反映していない値となっており、リサイクルの効果を考慮した場合CO2ペイバックタイムはこれらの値よりも小さくなります。
また、これらの値をグラフ化して比較すると以下のようになり、インゴットの製造過程で多くのCO2を発生させる結晶系シリコン太陽電池よりもCIS系などの薄膜系太陽電池がCO2ペイバックタイムの観点からは優秀であることが見て取れます。
NEDOの資料をもとに作成