バイオマス発電のメリットとデメリット
くずま高原牧場(岩手県)の
バイオマス発電装置
バイオマスは、食品廃棄物のような廃棄物系バイオマスをはじめ、樹木、草、海藻などと言った形で、人間の生活する環境の近くに広く分布しています。
このため、バイオマス資源を活用したバイオマス発電は、太陽光発電や小水力発電と並んでエネルギーの地産池消に向く再生可能エネルギーと言え、世界中で導入が進んでいます。
主要な再生可能エネルギーの一つとして期待されるバイオマス発電には、以下のような長所(メリット)と短所(デメリット)が存在します。
バイオマス発電のメリット
バイオマス発電のメリットには以下のようなものがあります。
- エネルギーの地産池消に向いている
- カーボンニュートラルな資源から作られるエネルギーである
- 廃棄物や未利用資源を活用してエネルギーを得ることができる
- 火力発電所などの化石燃料を使用するために作られたインフラや技術を活用することができる
- 電力に変換する前に化学エネルギーとして蓄えておくことができる(※)
※化学エネルギーとして蓄えられる利点
バイオマスは、化石燃料などと同様に燃焼により熱エネルギーを取り出すことが可能な化学エネルギーを内包した資源であり、バイオマス本来の形態またはペレットなどに加工した状態で貯蔵や移動が可能です。
このことは、電力が必要な時に発電が可能ということを意味しており、エネルギーの需要と供給の時間的なギャップを埋めるためには、発電した電力を蓄電池に貯蔵する必要のある太陽光発電や風力発電などと比較して大きなメリットとなります。
バイオマス発電のデメリット
バイオマス発電のデメリットには以下のようなものがあります。
- トウモロコシなど食用として価値のあるものまで燃料とされてしまう危険性が有る
- 樹木の利用が多くなりすぎると森林破壊を招く危険性が有る
- バイオマスの生産、加工、輸送に多くの化石資源が使用されるとカーボンニュートラルでなくなる