GaAs太陽電池の特徴

Ⅲ-Ⅴ族系多接合型化合物半導体太陽電池
Ⅲ-Ⅴ族系多接合型化合物半導体太陽電池
画像提供:NEDO

 GaAs太陽電池は、Ⅲ族のガリウム(Ga)とⅤ族のヒ素(As)を主原料とする化合物半導体からできているため、Ⅲ-Ⅴ族の化合物半導体系太陽電池に分類されます。

 GaAs太陽電池は以下のような特徴を持つことから、単接合の太陽電池としては最も高い変換効率を誇り、2013年4月時点での最高変換効率は研究室レベルで28.3%に達しています。

 GaAs太陽電池の特徴

GaAs太陽電池の長所

 上記の光吸収係数やエネルギーバンドギャップの大きさに起因する変換効率の高さが、GaAs太陽電池の最大の長所の一つと言えます。

 また、光吸収係数の大きさは薄膜化による省資源化を可能にする効果も生んでおり、エネルギーバンドギャップの大きさは出力の温度係数を小さくし高温時の出力低下を小さくすることにも寄与しています。

 この他にも、GaAs太陽電池は耐放射線性を有しており、宇宙用の太陽電池として向いているという特性も持っています。

 GaAs太陽電池の長所をまとめると以下のようになります。

  • 変換効率が高い
  • 薄膜化により資源を有効活用できる
  • 高温時の出力低下が少なく集光用による高温化でも高い変換効率が期待できる
  • 放射線に強く宇宙での使用に適している

GaAs太陽電池の短所

 GaAs太陽電池は上記のように多くの優れた特徴を持っていますが、原材料となるGaAs単結晶ウェハのコストが非常に高く、それに伴って製品価格も高くなってしまうため、現状では使用用途が宇宙用やソーラーカーレース用などに限られています。

 希少金属(レアメタル)に分類されるGaは、他のレアメタルと比較して供給は安定しているものの、需要と供給のバランスで価格が高騰するリスクを有しています。

 また、原材料に毒性元素であるヒ素を含んでいる点は、環境負荷の観点から見たデメリットの一つと言えます。

 GaAs太陽電池の短所をまとめると以下のようになります。

  • 原材料となるGaAs単結晶ウェハが高価
  • 原材料に希少金属(レアメタル)であるガリウムを含んでいる
  • 原材料に毒性元素であるヒ素を含んでいる

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