自由電子と正孔
自由電子
エネルギーバンドギャップのページでも紹介したように、価電子帯にある電子(価電子)は十分なエネルギーを外部から得ると、エネルギーバンドギャップを超えて伝導帯へ遷移し自由電子となります。
伝導帯へ遷移し自由電子となった電子は、結晶内を自由に動くことができるため、負の電荷を運ぶキャリアとなり、電流の流れに貢献します。
正孔
一方、自由電子(負の電荷)が飛び出した価電子帯では、電子の不足した状態となり、相対的に正の電荷をもつように見える空間(孔)が発生します。
この正の電荷をもつ空間(孔)は、正孔と呼ばれます。
正孔の移動
半導体の結晶中では、発生した正孔に周囲の価電子が収まることで、その価電子が存在していた空間に正孔が発生するというかたちで、正孔が結晶内を移動することが可能です。
このため、正孔は正の電荷を持ちながら移動する粒子のように振る舞うことができ、正の電荷を運ぶキャリアとして、電流の流れに貢献します。