フェルミ準位とは
電子は光や熱などのエネルギーを受けると、高いエネルギー準位へと移動します。
この高エネルギー準位への移動はランダムに発生しますが、必要なエネルギーの小さい低めのエネルギー準位への移動は発生する確率が高く、大きなエネルギーを必要とするより高いエネルギー準位への移動は発生する確率が低くなります。
このため、高いエネルギー準位ほど電子が存在する確率が小さく、低いエネルギー準位では電子が存在する確率が大きくなります。
このことから、エネルギーの準位が高くなるにしたがって、電子の存在する確率が100%から0%まで分布していることになり、この分布範囲の中央付近に電子の存在する確率が50%になるエネルギー準位が存在することになります。
この電子のいる確率が50%になるエネルギー準位をフェルミ準位といいます。
半導体のフェルミ準位
真性半導体のフェルミ準位は禁制帯(エネルギーバンドギャップ)のほぼ中央に位置します。
これに対して、n型半導体では不純物の添加により伝導電子が多めに存在するため、フェルミ準位が禁制帯の中央から伝導帯よりにシフトします。
一方、p型半導体では不純物の添加により正孔が多め(伝導電子が少なめ)に存在するため、フェルミ準位が禁制帯の中央から価電子帯よりにシフトすることになります。
真性半導体、n型半導体及びp型半導体の詳細は半導体の種類のページを参照して下さい。