半導体の種類
ほとんどの太陽電池は2または3種類の半導体を貼り合わせて作られています。
この半導体は電気をよく通す金属などの「導体」と、電気を全く通さない「絶縁体」の中間の性質をもつ物質で、電場・温度・光などの外部環境によって、電気を通す度合いである電気伝導性が変化する物質です。
半導体には真性半導体、n型半導体及びp型半導体の3種類があり、それぞれ以下のような構造と特徴を持っています。
真性半導体
真性半導体は、高純度のシリコン結晶のように不純物を含まず伝導電子や正孔を持たない半導体結晶です。
伝導電子や正孔を持たないため、電流を流すにはn型半導体やp型半導体と比べて多くのエネルギーを外部から加える必要があります。
真性半導体の構造
n型半導体
n型半導体は、シリコンにリンなどの最外殻電子を5つ※持つ元素を不純物として添加して作られます。
n型半導体では、加えられた不純物の最外殻電子の1つが共有結合に寄与せずに余り、自由に動くことのできる伝導電子となるため、真性半導体よりも小さなエネルギーで電流を流すことが可能です。
※シリコンの最外殻電子は4個なのでリンの最外殻電子はシリコンよりも1つ多い。
n型半導体の構造
p型半導体
p型半導体は、シリコンにホウ素などの最外殻電子を3つ※持つ元素を不純物として添加して作られます。
p型半導体では、加えられた不純物の周りで共有結合に使用する電子が一つ不足し、正の電荷をもつ正孔が生まれます。
この正孔も伝導電子と同様に自由に動くことができるため、p型半導体も真性半導体よりも小さなエネルギーで電流を流すことが可能です。
※シリコンの最外殻電子は4個なのでホウ素の最外殻電子はシリコンよりも1つ少ない。
p型半導体の構造