電気二重層キャパシタ(コンデンサ)
画像提供:ニチコン㈱
電気二重層コンデンサは電気二重層現象と呼ばれる物理的な現象を利用して蓄電を行います。
蓄電の原理が物理現象であることから、化学反応を利用して蓄電する二次電池(蓄電池)と比較して以下のような特徴を持っています。
蓄電原理
電気二重層コンデンサに応用されている電気二重層現象は1879年にヘルムホルツ(Helmholz)によって発見された次のような現象です。
「電解液に導体を浸したときに、電解液と導体の接触界面に電解液の分子1個相当の厚み(数10nm)ほどの絶縁層(第1の絶縁層)が生じ、この絶縁層のすぐ外側に電解液分子によって取り囲まれた電解液のイオンが拡散し第2の絶縁層が生じることで、二重の絶縁層が形成される現象」
この状態で電極に電圧を印加すると、正の電圧を印加された電極にはマイナスイオンが、負の電圧を印加された電極にはプラスイオンが第1の絶縁層を挟んで吸着されます。
絶縁層を挟んで正の電荷と負の電荷を蓄えた層が形成されるこの状態は、絶縁体を挟んで向かい合った導電性の平板に電荷を蓄えるコンデンサの構造と同じなので、電荷を蓄えることが可能となります。
コンデンサの容量は極板間の距離に反比例するため、絶縁層の厚さが分子1個分と薄い電気二重層現象を利用したコンデンサ(電気二重層コンデンサ)は、通常のコンデンサと比較して非常に多くの電荷を蓄えることが可能となります。
長所
- 大電流での充放電が可能。
- 充放電による劣化がほとんどない。
短所
- 二次電池と比較してエネルギー密度が低い。
- 蓄電量によって電圧が変動する。