高周波変圧器絶縁方式
高周波変圧器絶縁方式の製品例
シャープ製JH-40CD3P
画像提供:シャープ㈱
高周波変圧器絶縁方式のパワーコンディショナーでは、パワーコンディショナーの回路方式のページで紹介したように、直流電力を高周波の交流電力に変換して変圧と絶縁をした後、一旦直流電力に戻してそれを商用周波数の交流電力に変換するという複雑なプロセスを用います。
この方法を用いる利点は、変圧・絶縁を高周波で行うことで、商用周波数で行う場合よりも変圧器(トランス)のサイズを小さくできる点にあり、家庭用太陽光発電システムや産業用太陽光発電システムのパワーコンディショナーの一部で採用されています。
高周波変圧器絶縁方式の回路図
高周波変圧器絶縁方式の回路は以下のような構成になっています。
太陽電池の出力する直流電力を50Hzまたは60Hzの商用周波数の交流電力に変換する動作の流れは以下のようになっています。
- 太陽電池で発生した直流電力がPWM方式のインバーターで高周波数の交流電力へ変換される
- インバーターから出力された交流電力が高周波変圧器で適切な電圧へ変換される
- 変圧器から出力される絶縁の確保された交流電力がコンバーターで直流電力へ変換される
- コンバーターからされた直流電力がインバーターで商用周波の交流に変換され、系統へ出力される
高周波変圧器絶縁方式の特徴
高周波変圧器絶縁方式の回路は以下のような特徴を有しています。
長所
- 重量が軽い
- 寸法が小さい
- 確実な絶縁が行える(トランスレス方式との比較)
短所
- 回路が複雑
- コストが高い